Perfumeで思い出すのは高校の時の体育祭。男子は「棒倒し」、女子は「棒引き」を競技として行うのだが、なぜか競技前に敵チームを煽るような余興的なパフォーマンスをするのが恒例になっていて、そこでPerfumeの「Baby cruising Love」のサビを踊ったのが約9年前のこと。時間の経過は恐ろしいほど早い。
その当時のPerfumeは「ポリリズム」の大ヒットがあって、「かわいい女子3人がかわいいテクノポップをやっている」という印象だった。今でもかわいいのは間違いないが、強かさとしなやかさを手に入れてさらに魅力的になっているし、楽曲もより力強いサウンドが展開されているように思う。
今回レビューするのは2017年8月30日リリースの24thシングル「If you wanna」。常に新しさをアップデートし続けるPerfumeを楽曲から味わえる作品になっている。
メジャーデビューから通算24枚目となるニューシングル「If you wanna」のリリースが決定致しました!!サンスター Ora2 新TVCM「Ora2と出かけましょう」篇のCMソングとなっています。
カップリングには、Perfume × パナソニックのコラボレーションが話題となっている『「Everyday」- AWA DANCE edit -』と『-AWA DANCE edit- by Team Panasonic』の楽曲「Everyday」を収録!!
では表題曲「If you wanna」とカップリングの「Everyday」をそれぞれレビューしていこう。
If you wanna
Ora2×Perfume くちもとBeauty Project「Ora2と出かけましょう」篇CMソング
曲の長さが2分44秒という短い楽曲。歌詞の大半が「If you wanna love me」「If you wanna kiss me」で占められている。普段聴いている曲の多くが4分くらいなのでボーっと聴いているとすぐ終わってしまうのだけど、EDMのジャンルは3分未満の曲は珍しくない。それをPerfumeがシングルのA面でやっているのが面白い。
Perfumeは3人のかわいらしさはもちろんだけど、常に新しいサウンドに挑戦し続けるからこそ日本にとどまらず海外でも評価を受けているのだろう。この「If you wanna」だって日本のマーケットだけをターゲットにするならシングルでやろうとはならないんじゃないかな。
曲が短くて歌詞も同じフレーズの繰り返し、それでも成立しているのは曲の完成形を楽曲の先にある「パフォーマンス」に焦点を当てているからに他ならない。彼女たちがMV・歌番組・ライブで歌って踊るのを披露することで曲が完成する。
だから曲中でのダンスや瞬間に見せる表情だけでなく、セットだったり照明だったりカメラの画角さえも楽曲を構成するファクターにしてしまうのである。
Perfumeをずっと追って聴いているわけではないので、楽曲変遷の中でこの曲がどうPerfumeファンやジャンルのファンにとらえられているのかという点は混じりっけなしの純粋さで興味がある。「革新だ！」でも「なんか違うな」でも、どんな感想が出てきてもそれは全部正解だし中田ヤスタカの思うツボなんだろうな。
Everyday
Perfume × パナソニック AWA DANCEキャンペーンソング
ピアノのイントロからメロディアスに歌い上げるAメロへの引きの強い流れにハッとさせられる。全体のサウンドとしてはクセの強めなトロピカルハウスと言ったところだろうか。
サビの前半をおとなしめにして、後半からハイハットが入ったりベースラインに動きをつけて華やかになるのが私のツボを突いてくる。サビ前にクッション的に入る「It’s so happy」も至極ナチュラルで曲の流れを邪魔していない。どこを切り取っても計算された構成になっていて、それがちゃんとプラスに効いているのがすごい。一言で言って最高だ。
良曲の前にはいくら言葉を並べても無意味に思えてしまうので語彙力が貧弱な文章になってしまうな…。「ここたまらん…」「はあ…好き…」を無限ループで繰り返してしまう良さがこの「Everyday」にはあるので、例え「If you wanna」がピンとこなくても「Everyday」には引っかかる部分があると思うので是非フルで聴いてみてほしい。
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