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【Kis-My-Ft2】「Hair」JE版(2009)とavex版(2012)を徹底比較分析

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キスマイJr.時代の名曲「Hair」。この曲、実は2バージョン存在するのをご存知だろうか。

一つは「PLAYZONE2009 太陽からの手紙 オリジナル・サウンドトラック」収録バージョン(以下JE版)、もう一つはLIVE DVD「Kis-My-MiNT Tour」初回生産限定盤に封入されている「Kis-My-Zero 2」収録バージョン(以下avex版)である。

 

初めてキスマイの持ち歌が音源化されたのがJE版。デビューから遡ること2年前である。ちなみにJEとは、音楽レーベル「Johnny’s Entertainment」の略。キンキ・NEWSなどが所属しているが、Jr.関連の作品もこのレーベルからリリースされている。

一方のavex版はデビュー翌年に他のJr.時代の曲とともに音源化されたもので、リリースにあたってトラックと歌唱が再録されている。

同じ歌手・同じ曲かつレーベル違いの音源がこの世に存在しているというのは、分析厨にとって黙っていられない案件である。

 

細かい分析に入る前に、曲の概要を示しておく。

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Hair/Kis-My-Ft2

制作陣

作詞:白井裕紀. / 新美香、Rap詞:T.F xxx

作曲:STEVEN LEE

編曲:宮永治郎

 

構成

イントロ

Aメロ|Bメロ|1サビ

間奏

Cメロ|Dメロ|大サビ

アウトロ

 

ぱっと見たところ1番2番があるよく見かける構成のように見えるが、メロディのA・B・C・Dはすべて別物である。ただし、Dメロのラップ部分のトラックはサビと同じ進行となっているので落ちサビ的な要素もある。

 

オラオラで攻めた楽曲

心臓の鼓動から入るイントロにギターサウンドが怪しく鳴り、誘うような歌詞をセクシーに歌う、キスマイの真骨頂ともいえる傑作である。Jr.時代のキスマイといえば、この「Hair」だったり「FIRE BEAT」のようなオラオラで攻めた楽曲を得意としていた。3月に発表された「Tonight」は、デビュー前のような感じの曲とメンバーからも発言があったが、おそらく「FIRE BEAT」「Hair」の系譜を意識していると思われる。*1

 

現在につながる二階堂のパート割

そう考えると、ここ最近の楽曲における二階堂のラップ要員としての起用もうなずける。「Hair」ではAメロ・1サビ・大サビの各パートの最後が二階堂で締められているのである。北山・藤ヶ谷中心で曲が進んでいく中で、1行のみ・ひと言のみで曲にアクセントを与える役割を担う二階堂のパートというのは、この頃に原型があったのである。

 

では、ここからは細かくJE版とavex版の比較をしていく。

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JE版・avex版比較

イントロ

・最初に鳴る心臓の鼓動のような音

 JEは高め、avexはやや低め。

・(藤ヶ谷)Hair

 avex版のほうがねちっこいHair。

・ギターソロ

 JE:音量抑えめ avex:割と全開

・(コーラス)for dear, Kiss my heart

 JE版のほうが近くで鳴っている

・(玉森)We wanna be a crazy bomb

 JE版では声に若さを感じる一方、avex版はbombを強調して言っているところに力強さがある。

 

Aメロ

・(北山)惑わせるその唇

くちびるーーの伸ばし終わり息を吐くように出しているJE版に対して、伸ばしが長いavex版。

・(藤ヶ谷)焦らさないで 甘美な夜

 avex版がねちっこい。特に「甘美な夜」で音階が上がる時にねっとりとスライドしている。

・(宮田・千賀・横尾)痺れるほど見つめないで

 ここは劇的に違う。JE版では抑えめに、avex版では絶対に見ないで!みたいな勢いがある。avex版ではもしかしてパート割が違うかもしれない。パンチのある声が聞こえてくるのだが、あれはどう考えても北山っぽいのだがよくわからない。

・(二階堂)Oh… Can’t you feel my burning heart

 JE版はCan’t you feelで一回切っているが、avex版は流れるようにmy burning heartに入っている。この歌い方一つでJE版ではトゲトゲしさを感じさせている。

 

Bメロ

・(北山)”Love or Like?” ~crazy…

ほとんど違いはないが、歌い慣れしているのもあるのか、avex版のほうが全体に余裕がある。それがよく分かるのが「complicated」の後処理。JE版はハッキリ発声しているのに比べ、avex版では肩の力が抜けて自然に歌っている。

「carzy」の部分でもJE版はそれまでの流れで歌っているのに対し、avex版は少し変化をつけている。数え切れないくらい歌ってきているのを感じさせる部分である。

・(藤ヶ谷)crazy Yeah

JE版は尖っていてavex版ではねちっこいというのは全体的にそうだが、「crazy」の伸ばす量は同じでも、JE版は「くれいぜーぁっ」くらいなのがavex版は「くれいぜーーぁっー」みたいに少し歌い方が違うのがおもしろい。

・(玉森)Shaking up ~ kiss

この一節に玉森の歌唱力の向上を感じられる。JE版のぶっきらぼうな感じも味があっていいし、avex版のちゃんと音符にハメて歌うところにコーラスが足されて華やかさが出ているのもいい。

・Don’t want the night to be the end… so, 3,2,1

「3,2,1」も歌割りが変わっているようだ。JE版は北山が上パート・玉森が下パートのようだが、avex版は全員パートになっているようだ。音数が明らかに増えている。

 

サビ

トラックのギターの存在感があるのがJE、鳴っている音の広がりがあり重心低めなのがavex。

マスタリングの関係もあるのだろうが、JE版は北山・藤ヶ谷の声が強調されておりもはや2人しか歌っていないように聞こえ、avex版は全員を全体的に並べたような並行感がある。

 

・(二階堂)break

JE版は直前で一瞬音が消えることによって「break」のダークさを際立たせていて、二階堂も低めに発声している。avex版はサビ終わりのギターから流れるように「break」につながっている。発声もJE版に比べると少し高い。

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Cメロ

・(玉森)今この愛を欺けるの? 本当の愛を

JE版はもろくて壊れそうな危うさを感じさせ、avex版は音にちゃんとハメながら、優しさや儚さを感じさせるようなソフトな歌い方で、一番違いが出るところとなっている。玉森が段違いで歌唱力を向上させていることに驚きと感動を覚えてしまう。

・(北山)もう徒に誘わないで ~ dangerous

2つのバージョンを同時再生させてもぴったり一致してしまうほど変わらない歌声。

 

Dメロ

・藤ヶ谷のラップパート

avex版で北山と同じく歌い慣れしたことによる余裕を感じさせる。「I’m gonna be crazy」「Ha-ha」なんかは少し高いところから見下されているように思わせるほどの余裕がある。

・北山のフェイク

JE版の振り絞るような切迫感、avex版の響き渡る帝王感、どちらも優劣がつけられない良さがある。

 

アウトロ

・(二階堂)You’re so crazy

まずパートに入る前のドラムのボリュームが異なる。音色は変わらないが、JE版のほうが音量が大きめに鳴っている。肝心の「You’re so crazy」。JE版はささやくように言うのに対して、avex版はしっかりはっきり言っているところに大きな違いがある。

 

全体を通して

JE版は若者のトゲトゲしさや若さゆえの危うさなどを感じさせ、avex版では生き急がずどっしりと構えたような余裕を端々から感じられた。

そう感じるのもディレクションやマスタリングが異なるのはもちろんだが、キスマイの歌唱の変化というのが一番大きいように思う。特に玉森の歌唱力の向上はグループ全体の底上げになっているのは間違いない。

そんな中でも、北山の安定感はJr.時代からキスマイの柱であったことを改めて思い知らされた形となった。

 

まとめ

2017年のキスマイは、「Tonight」でWild & Sexy、「MUSIC COLOSSEUM」表題曲「EXPLODE」でWild & Strongを打ち出しているように、原点回帰ともいえる楽曲に次々に挑戦している。

JE版「Hair」が発売されてから8年、avex版から5年。まさにキスマイの基盤となる楽曲の一つであるこの曲を、是非どちらも聴いて比較して楽しんでみては。

 

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*1:「海賊」「3D Girl」も同系統と言えるだろう

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