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【Kis-My-Ft2】アルバム「To-y2」レビュー(前編)

Kis-My-Ft2
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君の笑顔の一つは 僕が理由だったらいいな――

2020年3月25日、Kis-My-Ft29作目のオリジナルアルバム「To-y2」がリリースされた。

シングル2曲、新録14曲(うち5曲がタイアップ付き)、通常盤にはこれとは別にシークレットトラック1曲とユニット曲4曲が収録されており、合計21曲で構成されたアルバムとなっている。 

Kis-My-Ft2の9作目となる
アルバムのタイトルは

『To-y2(読み:トイズ)』。

テーマはずばり!

————————–
Kis-My-Ft2が産み出す
「音楽=おもちゃ」を使って一緒に遊び
幸福・感動を分かち合い、
人生を豊かに彩ろうという想いが
込められたピースフルなアルバム。
————————–

となっています。
上記のテーマはしっかりとお伝えしたいので
目立つように記載しました。

単に「おもちゃ」という事ではなく、
今作で伝えたいのは
「キスマイと一緒に遊ぼう!」です。

「おもちゃ」と言うと大人になると、
なかなか馴染みがないと思いますが
童心に帰ると大好きなおもちゃで
四六時中遊んでいたことを思い出しませんか?

その時の感情をこのアルバムを手にするみなさんに
感じてもらいたいのです!

20.02.01 Kis-My-Ft2ニューアルバムの詳細がついに解禁!!!!!!!BLOG | Kis-My-Ft2 Official Website

前編(通常盤Disc1 16曲+ボーナストラック1曲)と後編(ユニット曲4曲)に分けて楽曲のレビューをしていく。今回は前編。

 

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総評

挑戦心が産み出したジャンルレスなアルバム

今回のアルバム「To-y2」は、タイトルやコンセプトから明るくポップな印象を受ける。それは間違いないし実際に収録されている楽曲もポップなテイストの曲も多い。
だが、アルバムを通して聴くと、その表面的なイメージ以上に楽曲と構成が緻密に作られていることがわかる。

今回アルバムのタイトル・テイスト決めの舵取り役を担ったメンバーの横尾は日経エンタテインメントのインタビューで下記のように語っている。

――今回は『To-y2』=おもちゃ箱のように多様なジャンルの曲を集めるのが前提だった?

横尾 いや、曲先行です。曲選びの前から「今までやってないジャンルにチャレンジしようよ」とか「こういう曲やりたいよ」っていうメンバーからの発信もあって。ニカ(二階堂)がサンバやりたいとか、北山さんはジャズやりたいとかね。俺の中にもあったし。
2020年5月号|日経エンタテインメント!

ジャンルもテイストもバラバラな楽曲群は「おもちゃ」のコンセプトありきではなかったのだ。メンバーが主体的にアルバム制作に関わり、そのリクエストに対し多くの楽曲を集めて提示するエイベックスの底力を感じさせる。

番組共演をきっかけに楽曲提供につながった曲もある。「UTAGE!」で舞祭組が共演した歌手のTEE氏、宮田が「関ジャム」にて共演したアニソンプロデューサーの上松範康氏、横尾・千賀のユニット曲には彼らが名人の称号を得ている「プレバト」の俳句コーナーで査定を務める夏井いつき氏が参加している。
メンバーが度々話している、個々の仕事をKis-My-Ft2本体に還元するという流れが色濃く出た形となった。

 

珠玉の楽曲が詰まったおもちゃ箱

音楽をおもちゃに例えてバラエティに富む楽曲がラインナップされているが、バラバラな楽曲の集合でありながら全体のパッケージとしてまとまりを感じさせるのは、1曲1曲が丁寧に作られていることに加えて、メンバー7人それぞれの持ち味が相殺されず最大限に引き出されているからに他ならない。

ワクワクしながら開けたおもちゃ箱の中身をひっくり返したごちゃまぜ感ではなく、一つ一つ大切に取り出してじっくりと楽しみたい、そんなアルバムなのである。

デビュー9年目・平均年齢が31歳のキスマイだからこそできる、ポップでありつつ、等身大で上質な作品に仕上がった。

Kis-My-Ft2というアーティストの実力がどんどん増していると音楽作品から実感できることは、楽曲厨にとっては大きな喜びである。

 

楽曲レビュー

“9th”Overture

作曲:Mao
編曲:Mao / 宇佐美宏

子どもたちがたくさんのプレゼントを目の前にしてそれぞれ選んでいく場面から、テイストの5種類のインストがつながっていく。

ブラス→ジャズ→レゲエ→スカ→ミディアムバラードの流れは、収録されている曲の中でも特に印象的な部分を切り取っている。

To Yours

作詞:矢野水音
作曲・編曲:クドリャフカ

フジテレビ系「もしもツアーズ」テーマ曲
dTV「キスマイどきどきーん!」テーマ曲

今作のリードソング。Bメジャーを主調とし、BPM132~133の軽快なテンポに心躍る明るいポップチューン。イントロは街をウキウキで歩いているかのように、鐘の音や自転車のベル、クラクションなどのパーカッションが入り交じり、ギターのフレーズのリフがクセになる。

要所要所で裏メロに明るいシンセ音を使うことによって「To-y2」に込められた「幸福・感動を分かち合い、人生を豊かに彩る」というコンセプトを引き立たせ、ハッピーさや希望の輝きを一層引き立たせている。特にDメロは歌詞との親和性が高く、この効果を強く感じられる。

また、サビ後半のベースが音階を下っていく部分なんかは琴線が刺激されてジーンと来てしまう。明るくてハッピーなのにちょっと泣けてくるって、そりゃ好きになっちゃうな。

 

玉森のソロから始まる1番Aメロ。kやtの子音にアクセントを置いて明瞭に歌っていることで歌詞が聞き取りやすく、フレーズの中でメリハリが付いている。
音階を駆け上がるメロディに乗せて玉森の輝度のある歌声が歌詞によく映え、まさに暗闇を照らす光をもたらしている。
この効果はラスサビの“My heart is on your side”でも活かされていて、前者は今を照らす光、後者はこの先もずっと光が続いていく印象を与える。

2Aでは北山ソロなのだが、ここの歌詞がややネガティブなのに対して芯のある力強い歌声を持つ北山を持ってくることで、いろいろあってもなんとかなるだろう感が出ている。1番と2番の対比を見るだけでもよくできてる歌割だと感心。

北山に関しては曲終わりの“君へ”もすごく良くて、さすが「君」を歌わせたら右に出る者はいない北山(※当社調べ ex.「君を大好きだ」「負けないで」)なだけある。

 

Bメロは二階堂・千賀が、1番は北山と、2番は藤ヶ谷と前半後半でユニゾンを組む。
二階堂と千賀は声のタイプが真逆であるため歌割が入れ替わるとガラッと雰囲気が変わるが、北山・藤ヶ谷が固定であることによって曲の流れに違和感を覚えることなく聴くことができるのだ。

藤ヶ谷はキスマイの歌声の軸になると同時に華を曲に与える。イントロ出だし、1番サビ終わり、Dメロ、アウトロにソロが配置されていて、そのどれもが目を引く(耳を引く?)印象的な部分である。
この曲の最高到達点はG#なのだが、サビ以外では藤ヶ谷のパートに2回出てくるのみであるところを見ても、彼の高音の伸びを活かして曲に彩りをもたらす効果をうまく使っていると言えるだろう。

Dメロで藤ヶ谷の“無限の輪のよう”に横尾がリフレインを重ねているのだが、単にわたたい需要に対する供給のみならず、無限の輪が広がっていく様子を情景描写をするために声質そのものや歌唱にクセがあまりない横尾を持ってきたのではと考えられる。

宮田が出てくるのは1Aで玉森ソロの後に玉森とユニゾンになる箇所。直前の玉森ソロで感じさせた輝度を、光量はそのままに柔らかくして次のパートに渡していく。
宮田の声質はアタックが強い声に当てると打ち消されかねないのだが、宮玉の絶妙な声のバランスによってうまく成立している部分である。

こう見ると、藤北玉にソロパートを配分したキスマイのスタンダードともいえる歌割を踏襲しつつ、適材適所とその効果を熟考して割り振られた歌割になっていると言える。

 

歌詞について。Dメロに“祈りは続くから”という歌詞がある。
祈るくらい心から望むこと、それは、サビに出てくる“君の笑顔の一つは 僕が理由だったらいいな”“君の日常がちょっぴり 僕で染まればいいのにな”だったり、“幸せよ広がれ”ということではないかと解釈した。
ここにも「幸福・感動を分かち合い、人生を豊かに彩ろう」というアルバムに込められたメッセージを感じ取ることができる。

“君の笑顔の一つは 僕が理由だったらいいな” “君の日常がちょっぴり 僕で染まればいいのにな”に関しては、君の全てになりたいみたいなことではなく、ちょっと謙遜しつつそばにいてくれる感じが暖かい。
キスマイがファンに対する想いでもあり、ファンがキスマイに対して抱く気持ちでもある。

このブログを書いているのは2020年6月でアルバム発売から時間が経っているのだが、コンサートツアー全公演中止、そして外出自粛要請でSTAY HOMEを余儀なくされる中においても、キスマイはレギュラー番組・ジャニーズweb・YouTubeなどでたくさん楽しませてくれた。

そこに響いてくるのが“僕に何が返せるだろう”というフレーズ。いっぱいいつも君に貰ってばかり(cf.「君を大好きだ」)なので、むしろ私が返したいくらいだよ…という気持ちになって、より一層キスマイへの想いが強くなっている。

もちろん自分の身近にいる大切な人のことを想って聴いてもグッとくるのは間違いない。そんな宝物のような楽曲である。

 

りあらぶ

作詞・作曲・編曲:山田竜平

コーワ「三次元マスク」CMソング

爽やかに駆け抜けていくサウンドに乗せて真っ直ぐに届けるラブソング。作詞・作曲・編曲は「キスしちゃうぞ」「BANG! BANG! BANG!」(2017)の山田竜平氏が手掛けている。

「三次元マスク」のCMソングということもあり、サビに“三次元な恋をしようよ”だったり“守りたい”といった関連ワードが出てくる上に、三次元から派生して「リアル」をキーワードにしているのがタイアップ曲ならではという感じである。

シンセのキラキラ感とともにビートとベースが重めに鳴っていて、ボーカルラインやラップとの相性が抜群だ。

パートとパートが重なる部分が多くどんどん歌割が入れ替わっていく。1人では歌うのが困難な、7人で歌ってこそ曲として成立するタイプの曲である。

Bメロの千賀の美メロと二階堂のラップの対比が良くて、この部分をコーラスとして挟むのではなく一つのパートとして存在させることができるのも今のキスマイだからこそだろう。

横尾→宮田→千賀→二階堂でつないでいくラップ。曲間にラップが挟まる形式は珍しくないが、Dメロにガッツリ強めに入るパターンは最近の楽曲ではあまりなかったかもしれない。
曲の山場になるラップを4人で成立させ、続くラスサビ前のBメロを藤北玉の3人が歌う対比も良い。

HANDS UP

作詞:栗原暁 (Jazzin’park)
作曲:Christian Jansson / CR / Subin Kim
編曲:Christian Jansson

24thシングル。

お家芸とも言えるゴリゴリなEDMをシングルで出せるキスマイの強さを感じられる1曲。

ここから3曲はキスマイのポップとは違う側面を楽しむセクションとなっている。

▼レビューはこちら

Cannonball

作詞:Taka Ruscar
作曲:Stephan Elfgren / Chris Meyer
編曲:Stephan Elfgren

重厚でアグレッシブなサウンドにサンバのテイストを取り入れたダンスナンバー。募る気持ちを解き放つさまをCannonball=弾丸に例えて、想いの強さとまっすぐさを歌っている。

作詞のTaka Ruscar氏はキスマイ作品初参加。ジャニーズではHey!Say!JUMP「FOREVER」「Boys Don’t Stop」など強め楽曲の作詞に定評がある。
作曲のStephan Elfgren氏はKis-My-Ft2では「FORZA!」や「BRAND NEW WORLD」「いいね!」「Super Tasty!」
Chris Meyer氏は「HUG TIME」「Saturday Life」今作に収録されている「Positive Man」も手掛けている。

サンバっぽさのわかりやすいところで言うと、サンバホイッスルがところどころに入っていたり、マイナーで進行していたのがサビで転調して陽気なメジャーになるところであるが、最もサンバっぽい印象を与えているのはリズムである。

サンバは2拍目にアクセントが来たり、パルチードアウトと呼ばれる独特のリズムパターンがあるのだが、Bメロ前半以外はこのリズムが終始使われていることによりサンバらしさが曲中に漂っている。

とはいえあまりにもサンバサンバしすぎるとガチサンバ曲になって完全にリオのカーニバル状態になるので、そこはシンセの音色だったり情緒的なボーカルのメロディラインでバランスを取っている。

こういう変わったテイストの曲をレパートリーに入れられるのもアイドル楽曲のおもしろさであり、この曲に関してはサビとそれ以外でメリハリを付けてキスマイ色にちゃんと染め上げているので、妙な違和感を覚えることもない。

 

Letting Go

作詞:Emyli
作曲:Joe Lawrence / Kieran Davis
作曲:Joe Lawrence

チルハウスっぽいミディアムなトラックに、失恋して立ち直っていく様子を切なくも美しく描いた歌詞を感情たっぷりに歌い上げる。「Flamingo」「One Kiss」「蜃気楼」あたりの音が好きなのでもれなくこの曲もどツボ。

 作詞のEmyli氏はm-floのゲストボーカルを務めたり安室奈美恵「Fighter」「Heaven」の作詞やボーカルディレクションを行った経歴のあるシンガーソングライター。エイベックス系アーティストへの歌詞提供多数。

作曲のJoe Lawrence氏は嵐「Ups and Downs」A.B.C-Z「A.B.C-Z with LOVE」を作曲、Kieran Davis氏は日本での楽曲提供は今回が初である。

イントロ・1番と2番の間・ラスサビ前のBメロに秒針の音が入る。曲の中で失恋→回想→回復と時間・場面が切り替わっていくのを印象づける。

この曲のミソとも言えるのが、曲の雰囲気に美しさと儚さを与えている裏メロのリフ。
終始鳴り続けることによって物語に一貫性が生まれているのだが、パートによって音色やボリュームを細かく変化させている。裏メロに注目して聴いてみると惚れ惚れする細部の作り込みである。

また、なんと言ってもこの曲は千賀のBメロの美しさに言及せずにはいられない。
リズムが一旦少なくなってボーカルが際立つところに、千賀の声がだんだん音階を上がってくる。これのまあ美しいことか。
Bメロ前半は1番・2番・ラスサビ前はすべて千賀の歌割になっているところからも、とても印象的なパートである。

Bメロ後半は1番藤ヶ谷・2番北山。歌詞が同じで最後の“for you”に音を当てる歌い方が同じであっても、藤ヶ谷は優美さを、北山は力強さを感じさせる。
シンメの二人の声がこうも違うのに、北山パートの“傷ついた分だけ優しくなれる”がめちゃくちゃ藤ヶ谷の声っぽく聞こえて藤北の奥深さってこういうところだな…と震えたことをここに報告します…。

ラップ担当としての二階堂のすごさも言及しておかねばならない。
どんなテイストの楽曲でラップをやってもフィットする器用さと天から与えられたハスキーボイス。
2番のラップパートはもちろん、ラスサビ前のBメロで藤ヶ谷の主メロにかぶせるように入れてくるところも、メロウな曲の中でズバッと音に当ててくるのが実に良い。もっと見つかれ~タカシ~~

 

Positive Man

作詞:TEE
作曲:Chris Meyer / クドリャフカ
編曲:Chris Meyer

【無料生配信】キスマイどきどきーん!生特番 
53:26~

歌手のTEE氏が歌詞を提供したレゲエソング。遊び心ある歌いまわしでラテンの陽気なノリを曲いっぱいに感じることができる。
この曲の核は“生きてるだけで人生はパラダイス”というフレーズに集約されていて、うまく行かないことがあってもそのうち良くなっていくだろうと前向きな気持ちになれる。

キスマイ楽曲にレゲエが用いられるのは初めて。サンバ同様レゲエも2拍目4拍目にアクセントが来るリズムを持ち、ボーカルの譜割りも三連符が出てきたり細かい音符と独特のグルーヴがなかなか難しめであるが見事に乗りこなしている。

イントロ~1番Aメロ・2番Aメロは宮田のソロパートなのだが、1番は日常の些細な幸せを拾い上げ、2番は“モノクロな街”や“空を飛ぶのさ”といったファンタジックなワードが出てくる。
そのどちらも宮田の声や彼自身のメンタリティと相性が抜群なので、ここでも適材適所の巧さが表れている。

直前の「Letting Go」で美メロを響かせていた千賀は、この曲では遊び心を感じさせるセリフやフェイクに歌割が多い。
これも曲によってギャップを見られて面白いところだ。

 

MAHARAJA

作詞:岡野りほ / MiNE
作曲:Andreas Ohrn / 川口進
編曲:川口進

MAHARAJA~~~!!!!!!!

インドをイメージさせるシタールやサントゥールなどの伝統楽器とデジタルサウンドが融合したアゲアゲダンスミュージック。
今回のアルバムの中でもひときわインパクトのある楽曲に仕上がっており、完全にトリップソングかつトンチキソングの様相を呈している。

トンチキソングこそジャニーズ楽曲の面白さだし不可欠な要素だと思っているので、デビュー9年目アラサーのキスマイがここに来てMAHARAJAブチ込んでくるの本当に愉快である。

岡野りほ氏はキスマイ作品初参加だが、MiNE氏(Crystal Sky・Mr.Star Light・青春Don’t Stop!!等)、Andreas Ohrn氏(HOT×2・Break The Chains等)、川口進氏(One Kiss・セルフィー・青春Don’t Stop!!等)の3人はこれまでも数多くの楽曲提供がある常連作家。
作品群を見て振り幅の大きさに作家ってすごいんだなと当たり前すぎる感想を抱いてしまった。

そもそもまず“俺の名はマハラジャ”って名乗るところからすでに面白いもんな。
あんなことこんなことが語られて落ちサビまで来たら、まさかの夢オチだったという結末を知らされる展開に情緒がおかしくなりそうなんだけどみんな平気…?

この落ちサビが非常に良くて、ムニャムニャピロー?って歌詞もたいがいヤバいけど、ここを宮田俊哉で行こうと思ったエイベもなかなかヤバだし結果として大正解叩き出してるのがもっとヤバい。
しかも歌詞表記が半角の!と?を多用してるのって、完全に某インドカリー屋アカウントの文体では…?などと思った次第である。遊び心の炸裂がすごい。

ここまで書いといて何だけど、とにかく何も考えずにMAHARAJAを聴いてバイブスを感じてほしいということに尽きる。現場からは以上です。

 

Be alright

作詞・作曲・編曲:AOJI

ギターのカッティングとブラスが印象的なスカを取り入れたエナジーソング。
勢いあるバックビートはスカの中でもスカコアとかスカパンク方面サウンドで、聴いているとパワーがみなぎって元気が出てくる。

「Positive Man」も前向きな気持ちにさせてくれる曲だが、あっちが歩く速度で励ましてくれるなら「Be alright」は全速力で駆け抜けるように背中を押してくれる。

“君らしくでいいんだよ そのままでいいんだよ”というストレートなメッセージがまっすぐ響いてきて根拠ある説得力を持っているのも今のキスマイだからこそだなと、とても明るい曲なのに胸いっぱいになった。

バンドを引っさげて生音で聴いてみたいと思わせる一曲。

 

My Place

作詞:栗原暁 (Jazzin’park)
作曲:久保田真悟 (Jazzin’park) / 栗原暁 (Jazzin’park)
編曲:久保田真悟 (Jazzin’park)

東京インテリアCMソング

長年キスマイに楽曲提供しているJazzin’parkが手掛けるミディアムバラード。

かわいらしくノスタルジックなEメジャーサウンドのA・Bメロでは優しく、3度上がってGメジャーに転調しストリングスが美しいサビに入ると遠くに届けるように伸びやかに歌う。

サビは最初から最後までユニゾンだが、その他の場所はすべてソロパートで構成されている。

Aメロ前半が1番北山/2番藤ヶ谷、Aメロ後半は1番玉森/2番宮田、Bメロは1番二階堂/2番千賀、Dメロは横尾から藤ヶ谷という配置になっている。
1番と2番をシンメで割ってDメロに横尾を置く歌割、これはAメロの歌詞が対になっているのも一つの理由ではないかと推測する。
Aメロ前半は愛/夢・smile/cryで対に、後半は時間帯が夕方/朝で対になっている。

DメロでB♭メジャーに転調。ここのメロディのキーが横尾が自然に歌えるキーと合致していてとても響きが良い。(ちなみにMAHARAJAのAメロ横尾パートもほぼ同じキーの幅)

東京インテリアのCMソングということもあり、Homeや場所というワードが使用されているのが特筆点である。
キスマイが東京インテリアのCMソングに起用されるのは「HOME」「君想い」に続いて3曲目となるが、そのいずれにも家や居場所をモチーフにしたフレーズがありミディアム曲調になっている。
キスマイ楽曲にはこういうテイストの曲もあるのだ。いや~しかしなんと振り幅が広いグループだこと。

Edge of Days

作詞・作曲・編曲:HIKARI

北山宏光主演 ドラマパラビ「ミリオンジョー」主題歌

25thシングル。

ここで「Edge of Days」が来るのか…!
ここまでの流れから一気に雰囲気を変えて次の「Make you mine」とともに強くカッコいいキスマイを象徴するセクションとなる。手札が強い…。

▼レビューはこちら

Make you mine

作詞:Komei Kobayashi
作曲・編曲:Tommy Clint

エレクトリックなサウンドとエフェクトを惜しみなく使った強くゴリゴリな楽曲。

「CDTVライブ!ライブ!」やYouTubeで配信された「Jonny’s World Happy LIVE with YOU」でパフォーマンスが披露されており、アルバムの中でも特に押していきたい曲の一つなのだろう。

Komei Kobayashi氏とTommy Clint氏での楽曲提供は「Shake It Up」「Distance」がある。
この他ではKomei Kobayashi氏(Take Over、レッツゴー!!、Break The Chains等)、Tommy Clint氏(Tonight、Let It BURN!、A.D.D.I.C.T等)と、キスマイ楽曲には欠かせない作家である。

じわじわと上げてきて重低音で一気に解放するイントロの時点でガッチリ心を掴まれる。
「To-y2」の収録曲はジャンルがバラバラで個性がそれぞれ際立っているが、「Make you mine」に関してはこれまでキスマイがやってきたオラオラ曲の血が通った定番のテイスト。
この路線を定番として使うことができるのは強みだし、シンセがバリバリ鳴ってラップやサウンドでオラつける曲を打ち出すキスマイがやっぱり好きだなと改めて思う。

サビにブラスの裏メロが入るのだが、このメロがラテンっぽく作られており「To-y2」でサンバやレゲエ、スカを取り入れた曲がラインナップされているのとつながりが感じられる。
このアルバムでなければもしかしたらブラスの裏メロは入らなかったかもしれない。

“俺だけ見てろ いつでもここにいる”
“今ついて来な どこまでも連れてく”
“君が夢に見てた場所へ連れて行くよ Top”
と、野心がむき出しになっているフレーズは、2021年に迎えるデビュー10周年やメンバーが口々に語る新国立競技場でのライブ開催の夢を想起させて非常に激アツである。

 

Sometime…

作詞:YU-G
作曲:SHIBU / YU-G
編曲:SHIBU

スロージャズにメロウなラップを取り入れた意欲作。

SHIBU氏とYU-G氏のタッグでの楽曲提供は藤ヶ谷ソロ「Life is Beautiful ~大切なあなたへ~」以来。YU-G氏は宮田・玉森ユニット曲「星に願いを」「運命」の作詞も行っている。

ジャズは大人っぽさを出したいという場合に取り入れられることが多いが、何の気なしにジャズをやると消化不良だったりなんか違う感を聴く側に与えかねない懸念がある。

Jazzy HipHopとまではいかないが、普段からラップが入った曲が多くラップ担当も必ず固定になっているわけではない(二階堂が担当する割合が多くはあるが)キスマイがジャズ+ラップのアプローチを持ってきたのは仕掛け方がうまい。
大人な雰囲気・等身大の描写・フロウが噛み合っていて良いバランスに仕上がっている。

ラスサビ直前に無音で入る北山の“じゃあな そんじゃ また会おう”がすごくいい味が出ていて、ああ北山さんの元カノになりたい人生だった…って遠くを見つめることしかできない。……何の話?

 

memento

作詞:HIKARI
作曲:HIKARI / RUSH EYE
編曲:ha-j

藤ヶ谷太輔主演 日本テレビ シンドラ「やめるときも、すこやかなるときも」主題歌

苦悩しながらも前を向いて生きていこうとする姿を描いた切ないラブバラード。

アルバムリリースのタイミングもあってシングルにはならなかったが、ピアノやストリングスを使った王道のサウンドと琴線に触れるメロディに乗せて、ドラマのストーリーにもリンクした歌詞を丁寧に歌い上げている秀作である。

藤ヶ谷主演作の曲ということもあって、1番Aメロ、Dメロ終わり、ラスサビ終わりの目立つところに歌割が配されていて安定感と伸びのある歌声を響かせている。
2番Aメロの二階堂もハスキーな声が一層切なさを誘うし、それに続く千賀パートはドラマチックで美しい。

Dメロが玉森→宮田と続いていくのだが、キスマイ内でざっくり分けると声の方向が近い宮玉を高音のメロディのところで繋げる発想に行きつくエイベのセンスよ…!
単にパートを割り振っているのではなく、作品としての美しさまで考えられているのである。

COUNT 7EVEN

5:13~

作詞・作曲:上松範康 (Elements Garden)
編曲:藤永龍太郎 (Elements Garden)

水樹奈々「ETERNAL BLAZE」「深愛」や数多くのアニメソングの作詞作曲で知られる上松範康氏が楽曲提供。

宮田のソロラジオ「燃(萌)えよ!ラジオ」に上松がゲスト出演した際に制作背景が語られており、オファーの理由は、水樹奈々ライブで上松が自身が書いた曲でファンが盛り上がっている様子に目をうるませていて、それを見た宮田がキスマイの曲も作ってもらいたいと思ったのがきっかけだったという。

曲を作るにあたって、キスマイの過去の楽曲やキスマイというグループについて、ファンの楽曲の捉え方など、キスマイのことについて調べたという上松。
その上でガッツリキスマイに当て書きされたトラックと歌詞は、さながらKis-My-Ft2というアニメに曲を書いたらこうなったと言わんばかりのハマり具合となっている。

テンポが早いビックバンドがとにかく派手なトラック。
高揚感を煽るストリングスやピアノのリフ、銃声のSE、そんでもって1人ずつカウントダウンする(しかもメンバーイニシャルの逆順)とか好きになるしか選択肢がないじゃん??

タイトルの「COUNT 7EVEN」という表記には、誰か一人が特別なのではなく、キスマイメンバー7人でEVEN(イーブン)であるという意味が込められている。
このメッセージがキスマイにとって大きな意味を持つのは3人と4人で衣装や歌割などの格差があったからであるのはわざわざ書くまでもないだろう。

“繋いだものを 離さぬように 続けるって難しいことは知ってる”という曲中のフレーズにもあるように、縁でつながった7人がそれぞれの人生がある中で一緒にやろう、続けていこうって決意してグループをやっていくことは外から見ているよりずっと大変であるはずだ。

「3+4=7」でも「1+6=7」でもなく「1+1+1+1+1+1+1=7」。
北山・千賀・宮田・横尾・藤ヶ谷・玉森・二階堂の7人でやっていくんだという意志を改めて宣誓しているのである。

“70億分の7の可能性”
“宇宙分の7の可能性”
“生きるって意味をありがとう”
“泣けるくらい幸せな瞬間”

これらを感じさせてくれるからキスマイのオタクやってるみたいなとこあるわ…といたく感動してしまった。とんでもない曲を創造神に作ってもらったなKis-My-Ft2…。

 

Smilest

作詞:miyakei
作曲:Keisuke Koyama / HIKARI
編曲:Keisuke Koyama

アパマンショップCMソング

 ポップで爽やかでありつつアルバム本編のラストを飾るのにふさわしく、ティンパニとストリングスのバッキングで彩る壮大で美しいメロディに乗せて力強くエールを送る楽曲。

キスマイ楽曲のどポップス、「Hurray! Hurray!」「Yeah E Yeah!!!!!!!」大好きマンこと私には例外なく刺さった。この路線の需要大アリですありがとうございます。

キスマイにはJr.時代からある持ち歌に「Smile」という曲がある。
この曲も“君にはずっと笑っていてほしいよ”と歌っていて励ましのニュアンスも似ているのだが、最上級を表す接尾詞がついた「Smilest」ではより大人になった視線で包みこむように勇気付けている。
“僕はここにいる”と言ってくれる頼もしさったらないね…!

一つ一つのフレーズがしっかり胸に刺さってくるのは、歌詞の良さはもちろん、歌声に素直さやまっすぐさがこもっているからに他ならない。

キスマイ全体を見て歌唱力が上がってるとか、歌のテクニックが向上しているからというのも間違いなくあるのだが、それを超越した歌の力を感じるのだ。

「To-y2」のテーマ「Kis-My-Ft2が産み出す「音楽=おもちゃ」を使って一緒に遊び幸福・感動を分かち合い、人生を豊かに彩ろう」をここまでの楽曲たちで存分に感じることができた最後の最後に、最大級の幸せと感動が押し寄せてくる。 

Secret Track

作詞:浜端ヨウヘイ
作曲:桑山哲也
編曲:山下洋介

通常盤のみに収録されているシークレットトラック。
新しい道に進んだり挑戦していくすべての門出に送る合唱曲で、アコーディオン奏者の桑山哲也氏が楽曲提供している。

前作ではルラルララが合唱+ブラスバンド曲として通常トラックに収録されていたが、今回はシークレットとして収められた。
コーラスのアレンジが完全に合唱曲仕様、1番はピアノ伴奏+コーラス、アルバムのリリースが3月下旬で卒業シーズンであることからも、このタイミングを狙って制作されたと推察される。

合唱曲として歌うのを見越しているため、歌いやすく言葉が乗りやすいようにシンプルなメロディラインになっている。

エイベックスのキスマイサイトに歌詞が掲載されている。
「種」歌詞 | Kis-My-Ft2 Official Website 

歌詞もメロディも良い曲であることは異論ないが、自分の心への響きが弱いのは合唱というコンテンツが自分から遠く離れたものになってしまったからなのだろうか。
きっと学生の頃だったらもっと深く刺さっていたんだろうと思う。ああ、これが年齢を重ねるということなのか…と身にしみた。

曲自体は今後大切に歌われていってほしい、素敵な楽曲である。

▼曲披露ではコーラス抜きで歌われている。

▼作曲の桑山氏のアコーディオン演奏によるリモート歌唱

▼To-y2購入はこちら

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